研究室
宇宙論グループ
- 千葉大学先進科学センターに2022年発足した新しい研究グループです。宇宙論の理論や観測に関する幅広い研究を行なっています。理学研究院の宇宙物理系の教員と連携し運営している宇宙物理学研究室の一部として活動しています。
学生の受け入れ
- 理学研究院の兼務教員として卒業研究生や大学院生を受け入れます。卒業研究については2月頃に内部生向けに研究室説明会を行なっており、大学院入学については5-6月頃開催される千葉大学外の学生も含めた大学院入学説明会で研究室訪問の機会があります。私の研究グループへの参加に興味があり私と個別に話したい方は歓迎しますのでホームページに記載のメールアドレスにご連絡ください。
研究員の受け入れ
Q&A
- 大学院入試説明会や研究室訪問でよく聞かれる質問をまとめています。
- (修士課程入試の) 合格はどのように決まりますか。外部生を受け入れていますか。
合格は筆記試験の成績でほぼ決まります。採点は内部生と外部生で全く区別なく公平に行われます。ですので外部生だからといって不利になることはなく、筆記試験で高得点を取れば合格できます。研究室訪問をすることで有利になることも不利になることもありません。
- コアタイムはありますか。
ありません。セミナーやミーティングなど決められたものに出席する以外はどこでどのように過ごすかは自由です。ただし、平日昼間は基本的には研究室に来て研究や勉強をすることを推奨しています。
- 過去問はどこで入手できますか。
物理学科の大学院入学説明会からリンクを辿ると過去問のPDFが入手できます。
- 研究指導はどのように行っていますか。
現在は、週一回各学生それぞれ個別に1時間程度の議論の時間をとって、研究の進捗状況の確認や結果の議論、次の方向性の相談などを行っています。それ以外の時間でも、slack等で質問したり私の居室に来てもらって議論するのは自由です。その他に、学生は研究室全体やグループ全体のセミナーや論文紹介等で発表の機会が回ってきますが、これらもフィードバックを得る貴重な機会です。研究が進むと学会や研究会で発表しますが、経験が少ない段階ではそれらの発表の練習やプレゼンの指導も行います。
- 研究テーマはどのように決めますか。
最初の研究テーマは、それぞれの学生と相談の上、希望 (どういった話題か、理論寄りか観測寄りか、等) を聞いて、希望があればそれになるべく沿った形で具体的な研究テーマを提案します。希望がなければないで、こちらから適切と思われるテーマを提案します。この際、学術的意義が十分にあってかつある程度早めに成果が出そうなテーマを提案することが多いですが、それは研究を経験する前に研究テーマ選びで時間と労力を使うよりは、ある程度見込みのある研究テーマで具体的に手を動かして、まずは研究のやり方を実体験から身につけていく方が有益だからだと考えているからです。博士課程では、研究テーマを自分で考える機会も様子をみながら徐々に設定していきます。
- プログラミングを習得しておく必要はありますか。
まず前提として、宇宙物理の研究ではほぼ全員何かしらプログラミングを使うことになるので、プログラミングを避けて通ることはまず不可能だと思ってください。その上で、事前に習得していればもちろん有利ですが、宇宙物理の学生で、研究を始めた時にプログラミングの経験がほとんどなかったものの、その後研究でプログラミングをバリバリ使いこなして研究を進めるようになる例はたくさんありますので、一般論として習得してないからといって問題になることはありません。
- 何を勉強しておく必要がありますか。
大学院入試で問われる物理、数学の基礎が、入試を問題なく突破できる程度に身についていればそれ以上は特に要求しません。学生のよくある勘違いとして、研究を始めるまでに学習した物理や数学のみを使って研究を行っていく、というものがありますが、実際は研究を始めると、研究の途中で、ある新しい事柄を勉強する必要に迫られるということが非常によくあります。したがって、研究において重要となるのは、上記のプログラミングも含めて、必要となった時のその都度、さまざまな新しい事柄を勉強して身につけていく能力と意欲になります。
- 研究する上で大切なことはなんですか。
素朴な疑問を大事にする:教科書や論文の具体的な記述、また自分の研究の計算結果など、何に対しても「なぜ?」と思うことがまずは大切です。さらに、それらの疑問を、自分で考えたり文献を調べたり他人と議論するなどして、一つ一つ解決していくことが重要です。ここでの解決とは、答えを知識として覚えるのではなく論理として理解する、という意味で、なので他人が理解していることや研究分野の常識であっても、自分が理解していないのであれば、それは解決すべき疑問です。研究上の新しい発見というのは、こうした小さな疑問の解決の延長線上にあります。ちなみに、大学院レベルの教科書や論文は、普通に正しくなかったり間違っている記述もたくさんあるので (指導教員が言うことも間違っていることが多々あるので)、そもそも鵜呑みにしてはいけません。このような素朴な疑問は、解決しないことも多々ありますが、心の棚にしまっておくと時が経って何かの契機に解決することもあります。
失敗を恐れない:研究能力は、試行錯誤したくさん「間違える」ことでのみ得られます。ただし、たくさん間違える、というのも色々とコツが必要で、周りと相談、議論せずにずっと1人で考えたり研究すると、初歩的な落とし穴にはまったまま膠着し無為に時間を過ごす危険性がありますし、逆に、周りに何でもかんでもすぐに聞いてその指示通りに動くだけでは、細かい技術的な面で間違えることはあっても、もっと根本的な研究の考え方やアイデアで間違える機会を逸してしまいます。自分で考えることと周りの人と相談、議論することの両方が大切です。また、たくさん間違えるためには、まずはトライする勇気、手を動かす勇気を持つことも大切ですし、ある程度研究に時間をかけることも必要です。
トラブルシューティングを身につける:研究というのは、誤解を恐れずに言えばつまるところトラブルシューティングです。これは、例えばコードのバグ取りなどがそうですが、もっと本質的な研究上の重要な発見も、多くの場合よくわからない、理解できない、間違いではないか、という事柄を試行錯誤して突き詰めた結果得られるもので、これも広い意味でのトラブルシューティングと言えます。トラブルシューティングの基本的な考え方は単純で、(1) 原因について仮説を立てる、(2) その仮説を検証する方法を考える、(3) それを実行する、を繰り返すことですが、その具体的な方法論を身につけると、自分でどんどん研究を進めていくことができるようになり、研究が楽しくなっていきます。
自己管理:上で述べた通り研究室ではコアタイムは設定しておらず、自由時間も多いので、長期的に高いパフォーマンスを保てるように自己管理をしっかり行う (その自分なりの方法論を確立する) ことが肝要です。特に、研究活動において十分な睡眠は何よりも大切であるというのが私の持論ですので、規則正しい生活を送って睡眠時間を十分に確保するようにすることを個人的にお勧めします。
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